自転車のサドルの交換をすることにした。
私の愛車は普通のシティ・サイクル車である。
通称「ママチャリ」と呼ばれているものである。
だが、乗っているのが私、つまりオジサンである。
ママチャリと呼ぶのには幾分抵抗がある。
オジサンが乗っているなら「オジチャリ」というこ
とになるのだろうが、それでは何のことかわから
なくなってくる。
一般名称は不特定多数の無意識下の多数決に
よって決し、伝播する。
「オジチャリ」は、いつまでたっても少数意見であり
名称として定着することはないだろう。
それで、私はシティ・サイクル車としている。
さて、その愛車のサドルはかなり痛んでいた。
後部半分の表皮が破れ黄色いスポンジが露出し
ている。
その上そのスポンジも半分ほどが欠落している。
これは、もちろん急にそうなったのではない。
3~4年かかっている。
4年ほど前に一度サドルを交換しようと思い立った
ことがあった。
当市には自転車店がわりと多い。
個人商店の他に大型店も2店ある。
私は大型店に行った。
県内で多店舗展開している会社の支店である。
私は店に置かれているサドルの中からひとつを指定し、
交換を申し出た。
だが、店の従業員の答は意外なものだった。
「今、交換できる者が出張修理に行っているので出
来ません」
店には従業員が2人いた。
その二人とも出来ないと言うのだ。
なんじゃそれ?
私は呆れて、その店を出た。
(まぁ、いつでもいいか)
私はそのままサドルを交換することも無く、そのまま
乗り続けたのだった。
~続く~