月末なので掃除機のダスト・ボックスの水洗いを
した。
毎月の15日前後に、ゴミ出しとほこり取りを行い、
月末にはそれらに加えて水洗いと乾燥をしている。
独り暮らしなのに、どうしてこんなにゴミやほこりが
溜まるのだろう？
やはり宇宙人が夜中にわが家に侵入して、ほこり
を蒔いているに違いない（笑）
ダストボックスとブラシを2本持って、庭へ出た。
あまり寒くないな。
後で調べると7.8℃あったようだ。
朝の時間帯でこの気温は、かなり高い。
寒いながらも暖かいといったところである。
師走のダストボックス洗いなので、それなりの覚悟
はしていたが、これならば快調に作業が進む。
洗っているとお隣のNさんの奥さんが出てこられた。
私に気がつくと朝の挨拶をされた。
私はブラシでダストボックスのほこりを取りながら挨
拶を返す。
顔はNさんの方を向いていない。
向き直って、正しく挨拶をするのが礼儀なのだろう。
だが、わが家とNさん宅との長年の関係ではこれでも
無礼ではない。
十分なのである。
その代わり思い切り愛想の良い声で挨拶を返す。
これで円満なのである。
Nさん宅の庭先から音が聞こえる。
Nさんが物干しに布団を干し始めた。
おぉ、これは珍しい。
布団を干すのか！
Nさん宅で布団を干すのを見るのは、これが初めてで
ある。
わが家とはもう半世紀以上も年もお隣同士だが、今ま
で布団が干されているのを見たことがなかった。
家には家の家事の仕方がある。
布団の手入れにも流儀があるのだろう。
Nさん宅では一体どうしてしているのか？と思ったりも
した。
しかし、詮索するのも失礼である。
尋ねたところで、私の好奇心を満たすだけである。
好奇心は必ずしも善ではない。
思わぬ方向に話が転んでもまずかろう。
ここは触れない方が良かろう。
私はずっとそう思っていた。
むむむ、どういうことだ？
年末なので干しているのか？
う～む、謎である。
この世は謎に満ちている。
そんなことを考えながら、私はボックスの水洗いを終
えた。
今年もいよいよ終わりである。
