私はネット・ラジオを聞いていた。
チャンネルはジャズ専門局である。
ピアノ・トリオの演奏が流れてきた。
早いパッセージのアドリブソロが次々と繰り出さ
れる。
おぉ、なかなか良いな。
緩急のつけ方が巧みでテンポ以上にスピード感
を感じさせる。
誰だ?このピアノは。
調べると、ジョー・ボナーというらしい。
ジョー・ボナー?
聞いたことがあるような気もするが、はっきりとし
た記憶はない。
マッコイ・タイナーの影響を受けたピアニストで、
ファラオ・サンダースのアルバム4枚に参加してい
る。
1948年生まれで2014年11月21日に亡くなって
いる。
ということは、亡くなったのはつい最近のことでは
ないか。
それで追悼の意味を込めてネットラジオで取り上
げられたのだろう。
あぁ、こんな素晴らしいピアニストがいたのに知ら
なかったのか。
当人が亡くなってから訃報によってその存在を知
るとは、なんだかすれ違いをしているようでもある。
それでも、知ることができて良かった。
出会いの形は、いろいろである。
ネット・ラジオで流れていた曲と同じアルバムから
の一曲。
ドラムもベースも素晴らしい。