食事が終わって洗い物をするために流し台に行っ
た。
皿を洗っていると、黒い動いたような気がした。
ムカデか?
奴なら数日前に屋外追放したはずだ。
洗い物を再開する。
やはり、何かが動いている。
よく見てみる。
流し台の中に敷いてあるマットの陰に、何か潜ん
でいる。
あ~、やはりムカデである。
また、お前か。
おそらく追放した奴とは別物だろうが、大きさはほ
ぼ同じで10㎝以上ある。
ムカデは、流し台に落ちてしまうと滑って這い上が
れない。
あんなに足が沢山あっても無理らしい。
1~2㎝登ろうとしては、滑って落ちてしまう。
流し台に入ったムカデは無力なのだ。
私は余裕でムカデを掴む紙を取りに行く。
戻ってみると、ムカデは脱出をあきらめ、ただ隠れる
ことにしたらしい。
私はムカデを流し台の隅に追いやった。
逃げ場は無いのだ、観念しろ。
私は紙で覆うようにして素早く掴んだ。
紙を見る。
あれ?掴めていない。
手応えはあったはずだが、こちらも刺されたくないの
で、少し腰が引けているのだろう。
これを2度繰り返した。
そして3度目になって、やっと掴めた。
私は足早に窓際に行った。
屋外追放である。
私はムカデを紙ごと放り投げた。
しばらく後でムカデが逃げた後で紙を片づければ良
いだろう。
あぁ、この時期ムカデの出現が多いな。
調べると、梅雨時には特に多いらしい。
それなら仕方ないな。
私は流し台に戻り、洗い物を再開した。