不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

検診の結果を聞きに行った。その③

 私は待合室から診察室の前の椅子に座った。
 ここで呼ばれるまで、少しの間待つらしい。
 ちょっと周囲を見てみる。
 小さなお子さんを連れたお母さんが、2組いる。
 顔見知りなのか、何か話している。
 ここは子供からお年寄りまで患者の層が広いよ
うだ。
 名前を呼ばれて診察室に入る。
 へぇ、この場所では名前を呼ぶのか。
 番号だけでやりとりすると、患者を間違える可能
性もあるからかもしれない。
 看護士に指示されて、医師の前の丸椅子に座る。
 回転式で背もたれがない椅子である。
 このような椅子は日常はまず見かけない病院特
有の装備品である。
 医師が机の上の検査結果を見ている。
 「異常はありませんね」
 医師はそう言ってこちらを向いた。
 「『普段歩いている』というのは良いことですね」
 私の場合、仕方なく歩いているだけである。
 「ちょっと痩せすぎですかね」
 何かと努力はしているんですけれど。
 医師は、私に検査結果を手渡した。
 私はそれを持って診察室を出た。
 異常無し、か。
 まぁ、そうだろうな、とは思っていた。
 前回の検査から半年も経っていないのである。
 私は、自転車に乗って町へ走り出した。