今年の桜もこの土日が見頃のピークのようだ。
風が強い。
当地名物の大風である。
これでは、散ってしまうではないか。
私は桜を満開の内に見ておこうと出かけた。
当市には桜の名所と言われている場所が2カ所
ある。
そのうちの一カ所に行く。
私は自転車で家を出た。
当地はかつては日本軍の重要拠点・施設があっ
た。
そこには桜の木が多く植えられていた。
軍人は桜を好むのだろうか。
正門へとまっすぐに続く道があった。
事実上、軍事施設専用の道である。
王宮への道を模していたようだ。
施設の見栄えをよくするために、そうした区画を設
定したのである。
軍が土地を使いたい放題だったのだ。
その沿道に桜並木が続いていた。
その時の桜並木が、現在の桜の名所となっている。
当地の桜の名所には、その頃植えられた桜が今
も多く残っている。
名所に着いた。
満開である。
出店が沢山並んでいる。
私はそれらを数えながら通ることにした。
29店あった。
へぇ~、こんなにあったのか。
今年は特別多いのではないか?
香具師たちが開店準備を進めている。
軽口を叩き合いながら、商品を並べている。
かつての軍の施設も今では香具師たちの稼ぎの場
である。
古い桜は、両方の時代を見ている。
どちらの時代が良かったかですか、桜さん?