可燃ごみの日の朝のことである。
私はごみ袋を持って通りに出た。
日が昇っているのに、気温は低いままだ。
加えて私は部屋着のままである。
朝の冷たい空気が身を刺すようである。
私はごみ袋を抱え縮こまって歩いた。
後ろから犬の声がする。
「キャン、キャン、キャン!」
振り返ると小さい犬がこちらに近づいてくる。
チワワだ。
茶と黒と白の3色の毛色だ。
何と言う種類なのだろうか?
「おはようございます」
犬のご主人様が挨拶をした。
2軒隣のTAさんだ。
朝の散歩の帰りなのか?
へぇ~TAさんはチワワを飼い始めたのか。
チワワは私の真横に駆け寄ってきた。
「キャン、キャン、キャン」
私に向かって吠えかかってくる。
飛び掛かってきそうな勢いである。
顔も真剣である
ハハハ、怖くないよ。
声は大きいけれど体のサイズがおもちゃ並である。
TAさんは、苦笑いしながらリードを引っ張って制御
しようとする。
それでも、吠えている。
元気が良いな。
TAさんのお宅の前に着いた。
TAさんとチワワは家の中に入っていった。
チワワは、まだ吠えている。
賑やかな新顔がご近所に仲間入りである。
私はごみ袋を置き場に置いて家に戻った。