不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

トイレの水滴音 その⑦

 最初から自分の手でどうにかなるとは微塵も思っ
ていなかった。
 ただ、少しだけ先延ばしにしたかっただけで放っ
ておいたのである。
 さて、誰に直してもらおうか?
 「電話一本、すぐに伺います」と盛んに広告してい
る業者、ここはパスである。
 いろいろと問題があることがわかっているからである。
 検討した末、製造元である×社に依頼することにし
た。
 ×社のアフターサービスのメンテナンス部門に頼むの
である。
 わが家ではトイレの件に関しては、いつもそうしている。
 メンテナンス窓口に電話をして状況を話す。
 「水が一滴ずつですけれど落ちているようなんですけれ
ど、これを留守などで数日間トイレを使わずにいたら水が
あふれて洪水になりませんかね?」
 私は大真面目でそう尋ねた。
 窓口の係の女性は、「それはないと思われますが」と
言った。
 少し呆れているようでもあった。
 今でこそタンク内の大雑把な仕組みがわかっているの
だが、その時はまるでわからなかった。
 そのため、そのようなトンチンカンな質問となったのだ。
 知らない、わからないとはそういうものである。
 当地区の担当者から折り返し電話を寄越すとのことだ
った。
 私は電話を待った。
 ~続く~