最初から自分の手でどうにかなるとは微塵も思っ
ていなかった。
ただ、少しだけ先延ばしにしたかっただけで放っ
ておいたのである。
さて、誰に直してもらおうか?
「電話一本、すぐに伺います」と盛んに広告してい
る業者、ここはパスである。
いろいろと問題があることがわかっているからである。
検討した末、製造元である×社に依頼することにし
た。
×社のアフターサービスのメンテナンス部門に頼むの
である。
わが家ではトイレの件に関しては、いつもそうしている。
メンテナンス窓口に電話をして状況を話す。
「水が一滴ずつですけれど落ちているようなんですけれ
ど、これを留守などで数日間トイレを使わずにいたら水が
あふれて洪水になりませんかね?」
私は大真面目でそう尋ねた。
窓口の係の女性は、「それはないと思われますが」と
言った。
少し呆れているようでもあった。
今でこそタンク内の大雑把な仕組みがわかっているの
だが、その時はまるでわからなかった。
そのため、そのようなトンチンカンな質問となったのだ。
知らない、わからないとはそういうものである。
当地区の担当者から折り返し電話を寄越すとのことだ
った。
私は電話を待った。
~続く~