不二家憩希のブログ

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トイレの水滴音 その②

 トイレのタンクからのは水滴音は、続いた。
 何も手を打たないのだから当然である。
 トイレに入るたびに(どうしようかなぁ)と思う。
 だが、出るとすぐに忘れてしまう。
 入ると思い出し、出ると忘れる、である。
 これが水滴ではなく、水がシューシュー出ていたら
私の対応も違っていただろう。
 それに今回は水滴である。
 5秒に一度の水滴ならオオゴトにはならないだろう、
と思ったからでもある。
 そうは言っても、水滴音というのは、耳につく。
 どういうわけかわからないが、他の音とは違うイン
クトがある。
 かつて、旧ソ連で行われた拷問の方法を思い出す。
 真っ暗な部屋に人を閉じ込める。
 そして何秒かに1滴ずつの水滴音を聞かせる。
 これを数日間続けるだけで、収容者の精神は変調
をきたすというものである。 
 私はこの拷問を実際に受けた経験がある人の話を
聞きに行ったことがある。
 「うわぁ~止めてくれ~!」となったところで思想教
育、いわゆる洗脳に取りかかることになるそうだ。
 大したことなさそうで、かなり苦しいそうだ。
 幸いにもわが家のトイレは真っ暗ではなく、どちらか
というと明るい方だ。
 もちろん夜間も照明はある。
 それでもやはり水滴音は気になる。
 毎日、毎日続くと気になってくる。
 次第にトイレに入ると水滴音のことしか考えなくな
ってしまっていた。
 いかん、これでは水滴の思うがままではないか。
 何とかせねばならないのか。
 
 ~続く~