用事のついでに桜を見ていくことにした。
今回は川の堤防沿いの桜である。
ここはかなりの距離にわたって桜の木が植えら
れている。
特に変わった桜ではない。
普通のソメイヨシノである。
だがその距離のあまりの長さからか近年は桜
の名所とされている。
権威があるらしい賞も受けた。
そのためかいろいろなメディアが取材に来るよう
になった。
そうなると、この堤防桜が何だか特別な価値が
あるかのような錯覚を持ってしまう。
そうした動きに気を使ったのだろうか、かつては
堤防上の道もアスファルトで舗装しただけのもの
だったが、近年少しずつ整備が進んでいる。
歩きやすいように特殊な加工が施された茶系統
のおしゃれな遊歩道になっている。
30メートルおきくらいにはベンチも据えられている。
だが、それも全体ではない。
やはり予算が足りず一度にはできないのだろう。
一番目立つ端の方から順次整備されているようだ。
ここの桜は連日の強風と雨で全体の3割ほどは
散っていた。
それでも、まだ何とか花見ができなくもない。
シートを敷き食事をしている人達が何組もいた。
その向こうでは園外保育で来ている園児たちが
走り回っている。
30人ほどの小学生の集団が堤防の段に座って記
念写真を撮ってもらっている。
カメラマンは引率の先生のようだが、デジカメの使
い方がもう一つわからないようでモタモタしている。
他にも花見をかねたウォーキングの人達がゆっくり
と歩いていく。
この週末は大雨と強風だそうだ。
当地の今年の桜は本日までというところだろうか。
私は何とかかろうじて滑り込みで見ることができた。
来年も見に来れれば幸せである。
