3月19日の朝、事件は起きた。
し、通行人を襲い始めた。
通勤・通学ラッシュで人がごった返す中での凶行で
ある。
現場はパニックに陥った。
男は4人に軽傷を負わせ、さらに通行人を追いかけ
た。
その時、追いかけられていた男性が駅前の商店の
店先にあった幟を手にとった。
そして、向き直ると男に立ち向かっていった。
幟の柄で刃物男の頭に突きや打撃を食らわせた。
応戦の開始である。
男は「ふざけんじゃねぇ」などと叫びながら攻撃し
てくる。
男性は幟で抗戦する。
男がひるんだ隙に通行人の男性や駅員らに取り
押さえられた。
幟で立ち向かっていったこの男性は、何と勇敢な
人なのだろう。
これこそ、命懸けの行為である。
スポーツや政治などで「命懸け」と言う言葉がよく使
われる。
だが、命が実際に危うくなることはまずない。
政策が失敗しても次の選挙までは責任を問われ
ることもない。
落選したとしても命までとられるわけではない。
スポーツや政治なら勝てば栄誉や富が与えられる。
この男性は身を捨てて悪に立ち向かっている。
瞬間の判断で行動しており、そこには何ら打算はな
い。
英雄とは、こういう人のことを指す言葉である。