不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク~コロンボ以上に変わった男。その⑦

 偉人や有名人となると、生前に自伝が出版され
ることが多い。
 ピーター・フォークも晩年に「刑事コロンボの素顔」
という自伝を出している。
 この自伝はフォークのイメージ通りの語り口で書
かれている。
 インタビューをライターがリライトしたのか。
 それとも、本当にフォークが話し言葉で書いてい
ったのだろうか。
 いずれにしろ、くだけた感じでとても読みやすい。
 まるでコロンボ警部が話しているような感じなの
だ。
 興味深いエピソードがいくつも紹介されており、
義眼にまつわるほとんど自虐ネタのような話も載
っている。
 だが、私は読んでいて少々違和感を感じた部分
がある。
 フォークは、大学時代に出会った一般女性と1960
年に結婚している。
 二人の養女を迎えたが、76年に離婚している。
 その翌年、”刑事コロンボ”にゲスト出演したこと
もある女優シェラ・ダニーズと再婚した。
 1960年といえば、フォークはまだ駆け出しの俳優
の頃である。
 つまり、フォークは大スターになった後、糟糠の
妻と別れたということである。
 私はフォークのファンではあるが、これは残念な
気持ちである。
 フォークの自伝には、その前妻のとの出会いや
結婚式での話が書かれている。
 前妻の若い頃の写真まで載っている。
 普通、別れた前妻のことをそこまで自伝に書くだ
ろうか?
 しかも言葉は悪いが捨てた女性である。
 自伝の場合、当人に都合の悪いことは書かない
ものである。
 それでも、フォークはそんなことお構いなしに書い
ている。
 当連載で以前に「フォークはちょっと鈍いというか
空気が読めないようなところがある」と記した。
 フォークは、ちょっと変わっているのである。
 
 ~続く~