不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その⑳

 1963年11月1日、ピーター・フォークはこの年
最後のテレビ出演をする。
 ”Bob Hope presents the Chrysler Theatre
 ボブ・ホープ・プレゼンツ・ザ・クライスラー劇場”
である。
 この番組は、ドラマやコメディ等を1話完結・非
連続で放送する時間枠で、ホストは大スター・ボ
ブ・ホープが務めており、時にはホープ自身が主
役を演
ずることもあった。
 番組スポンサーは、クライスラーの一社提供で、
クライスラーといえば当時米国最大の企業の一つ
である。
 ボブ・ホープの番組で、しかもクライスラー提供と
いうこともあり、この番組には基本的にはテレビに
は出ないハリウッドのスターが多く出演している。
 ショー・ビジネスの世界では”格式こそ命”という
価値観がこの時代においても支配的であった。
 「ハリウッド・スターは、テレビのような新参者の
ステイタスの確立されていないメディアには、簡単
には出ない」と業界の内外で思われていた。
 この”ボブ・ホープ・プレゼンツ・ザ・クライスラー
場”では、そうした慣例を打ち破ることにより、人気
を獲得した。
 ボブ・ホープクライスラー社との関係はこの番組
の後も続き、ゴルフの”ボブ・ホープクライスラー
クラシック”として長く親しまれることとなる。
 フォークが出演したのは”Four Kings 4人の王”と
いうドラマで1時間のカラー番組だった。
 フォークがカラー番組に出演するのは、これが同年
放送の”幌馬車隊”に続いて2度目である。
 この時代に既にカラー放送なのであるから、ちょっ
と驚きである。
 制作費が潤沢に使える状況にあったのであろう。
 共演陣も豪華で、”ラインの監視”でアカデミー主演
男優賞を受賞しているポール・ルーカス、スーザン・
ストラスバーグらがいた。
 フォークも、こうした有名番組からちょくちょく声がか
かるようになっていたのである。
 
 ~続く~