不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その⑲

 1963年9月30日、ピーター・フォークは、またし
ても人気テレビ番組に出演した。
 西部劇”Wagon Train 幌馬車隊”である。
 このドラマは、1957年に白黒の50分番組とし
てスタートし63年にカラー化し65年まで放送された。
 競争の厳しい米国ドラマ界で、8年も続いた国
民的ドラマである。
 日本でも日本テレビ系列で60年10月から63年4月
まで日曜夜8時に放送された。
 ストーリーは、幌馬車で移動し西部開拓に生き
る人たちを描くもので、典型的な西部劇である。
 ゲスト陣も豪華で、アーネスト・ボーグナイン
往年の映画スターも多く出演している。
 これは、やはり珍しいことである。
 米国におけるテレビと映画との力関係は、時代
によって異なってくるが、この頃はまだ映画の方が
格上と見なされており、映画スターがテレビに出る
ことは少なかったからである。 
 だがこの番組は人気番組であったため、映画スタ
ーたちもそれなりの対応をしてくれれば出ても良い、
ということだったのだろう。
 フォークが出演したのは”The Gus Morgan Story
ガス・モーガン物語”だった。
 フォークはゲスト主役で、フォークが大きくフューチャ
ーされてドラマは進んでいく。
 役柄は、鉄道会社の重役の、たたき上げの上昇志
向の強い男という設定である。
 フォーク初のビジネス・エリートの役である。
 ギャングの手下や殺し屋、変質者といったそれまで
のフォークにお馴染みの役は減りつつある傾向にある。
 フォークは髪を白髪風に染め、実年齢よりも上の実
業家を見事に演じている。
 フォークにとって初の老け役である。
 共演のゲスト俳優は、1950年代のティーンズ・アイド
ル、トミー・サンズだった。
 エルビス・プレスリー風の人気歌手で、実際プレスリ
ーと同じパーカー大佐のマネージメント下にあった。 
 また、この放送当時はナンシー・シナトラの夫でもあ
った。
 しかし、65年に離婚すると、親父のフランク・シナトラ
はサンズが芸能界で活動出来ないようにあらゆる手を
使った。
 フランク・シナトラは、歌はうまいがリアルに悪党なの
である。
 
 
 
 
 
 
 なかなか良い役である。
 
 日本で放送された際には、平尾昌章が主題歌を
歌っていた。
 
 ~続く~