不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その⑰

 翌1963年1月29日、ピーターフォークは”The
Dlck Powell Show"に3回目の出演をした。
 俳優のディック・パウエルによる演出・制作に
よるこの番組は多くの質の高い作品を送り出し
てきた。
 フォークも、この番組で、それまでのフォークの
定番だったギャングや悪党役とは違う新たな役
を任され、俳優としてのレンジを大きく広げられた。
 何よりこの番組枠での”トマトの値段”で念願の
エミー賞を受賞することができた。
 フォークにとっては思い出深い番組だった。
 だが、演出・制作・ホストを務めるディック・パウ
エルが、63年1月2日に死去してしまい、番組の
継続が難しくなってしまっていた。
 それでも、番組はホスト役に他の俳優を週替わ
りで立てるなどして番組は、ディック・パウエルの
名前を残したままそのまま続けられた。
 ホスト役は番組冒頭でその回のドラマのあらま
しを説明する導入役で、ジョン・ウェイン、デビッド・
ニーブンら大物が起用された。
 しかし、それにも限界が訪れ番組は4月30日に
最終回となってしまった。
 最終回のホスト役は、後の米国大統領・ロナルド・
レーガンだった。
 フォークが出演したのは、この”ディック・パウエル・
ショー”内の”The Rage of Silence 沈黙の怒り”だ
った。
 フォークは、聾唖者のマーティンという男の役だっ
た。
 マーティンは、ある日読唇術と手話を学ぼうと決意
し、教室に通い始めた。
 ドラマは、マーティンの奮闘に若い女教師への恋
心を織りまぜて展開するというものだった。
 今回もフォークは、ギャングの手下や悪党の役で
はなかった。
 ごくまともな小市民の役である。
 フォークの役柄も少しずつ変化していく傾向が見ら
れ始めたのは、この頃からである。
 
 ~続く