不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その⑯

 1962年、ピーター・フォークの映画出演は1本
だった。
 "Pressure Point プレッシャー・ポイント”とい
うタイトルのその映画は、気楽に楽しめる娯楽作
品が多かったフォークが出演したこれまでの作品
とは、少し趣が異なっていた。
 作品の舞台は、刑務所で主人公は、その中に
ある医局に勤務する黒人精神科医である。
 黒人医師は、一人の囚人患者を診察すること
になった。
 その患者は、ネオナチの信奉者で、その精神も
荒んでいた。
 黒人医師は、治療に奮闘するが一向に進展が
見られない。
 ネオナチは人種差別が顕著な思想であり、黒人
である自分が力になるのだろうかと思い悩む。
 黒人医師は、年少の白人医師に相談をもちかけ
助力を願う。
 そして治療に力を尽くそうとするが成果は出ない。
 そうしている内に裁判所は、その囚人患者の仮
釈放を決定してしまう。
 このままでは、危険人物を世に放つことになって
しまう・・・。
 何とも重苦しい社会派ドラマである。
 米国では、精神分析が極めて盛んなので、こうし
た映画が作られるのだろう。
 主役の黒人医師を演ずるのは、名優シドニー・ポ
ワチエである。
 危険な囚人患者役は、ボビー・ダーリンだった。
 ボビー・ダーリンとは、あのテーンズ・アイドル歌
手のボビー・ダーリンである。
 劇中では、難しい役どころを見事に演じているのだ
が、作品公開時の評論家の評価はあまり芳しいもの
ではなかった。
「売れっ子歌手が、映画に出て・・・」という侮ったとら
え方をされ、ろくに批評もされなかったそうだ。
 フォークは、ポワチエが助力を求める年少の精神科
医の役である。
 フォークの医師役はこれで2度目である。
 ギャングの手下や変質者の役から、熱血トラック運
転手、そして医師役まで、演ずる守備範囲の広さは
流石である。
 尚、この作品は、フォークにとって前作”ポケット一杯の
幸福”に引き続いてのA級映画出演となる。
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 予告編である。
 何とも時代を感じさせる作りとなっている。
 
 ~続く~