不二家憩希のブログ

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不要な紙で焚き火をした。その②

 私が用意しておいた物とは、さつまいもであ
る。
 それも茨城県産の紅あずまである。
 茨城の紅あずまと言えば、さつまいものトッ
プブランドの一つである。
 私は自分で家事をするようになってから初め
て、茨城の紅あずまを知るようになった。
 それまでにも私は紅あずまを食べたことがあ
ったのかもしれない。
 だが、さつまいもの銘柄まで確認して食べた
ことはなく、出された物を大人しく食べる、という
のが我が家の流儀だったからである。
 この紅あずまを、焼き芋にして食べる、これが
今回の目的の一つである。
 予め紅あずまを長時間水に浸けておく。
 こうすることにより、灰汁が抜けるなどの効果
があるらしい。
 また、焼く時に芋が水分を多く含んでいた方が、
よりうまく焼けるようである。
 今回は芋が大きかったので、3つに切った。
 そして軽く水を切り、濡らした紙に包む。
 本来ならこの上からさらにアルミホイルでも包む
のだが、今回は燃やす紙の量が少ないので、燃
効率を考慮してアルミホイルで包むのは止めて
おいた。
 私は燃え始めた紙の山の上に、芋を載せた。
 そして、その上からも紙を加えていく。
 焼き芋は、直火で焼くのではなく、出来るだけ
置き火で焼く方が良いようだ。
 この置き火とは燃えた後の灰に残る火のことを
指す。
 さつまいもは、加熱にかかる時間が長いほど甘み
を増す特徴を持っているからである。
 長時間水に浸けておいたのも、加熱時間を引き
延ばす効果を狙っている。
 また、直火にさらすと皮など周辺部分のみが炭
化する恐れもある。
 今回の焚き火に用意した不要紙の量は、少なか
った。
 これで1時間持つだろうかというほどの量だった。
 私は火の様子を見ながら、燃料である紙を加えて
いく。
 紙なので簡単に火がつく。
 そして、すぐに燃え尽きてしまう。
 燃料としては、極めて非効率的である。
 準備しておいた不要紙は30分ほどで無くなった。
 焚き火は思っていた以上に早く終わってしまった。
(これでさつまいもは、焼き芋になっているのだろう
か?)
 私は、それだけが気がかりだった。
 その後、芋は灰の中に残したままにしておく。
 残った灰も十分な熱量を有しており、焼き芋の加熱
には適しているのだ。
 それから1時間半後、私は灰の中から芋を取り出し
た。
 アルミホイルで包んでいないので、灰が周りに付い
てしまっているが、これは仕方ない。
 私は早速食べてみる。
 おぉ~、焼けている。
 実が黄色く焼けている。
 目に染みるような黄色である。
 食べてみる。
 おいしぃ~。
 これこれ、これこそ紅あずまである。
 焼き芋にした紅あずまは、まさに絶品である。
 地球上で最もおいしい食べ物であることは間違いな
い。
 日本人に生まれて良かった!と感じる瞬間である。
 不要な紙類を燃やすという本来の目的を忘れてしま
う。
 否、これこそが本来の目的だったのかもしれない。
 茨城のさつまいも農家の皆さん、今シーズンもおいし
い紅あずまを有り難うございます。
 これで、冬も乗り切れそうです。