不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

カラスは数の大小がわかる。

 当ブログでは度々「カラスは頭が良い(のでは
ないか?)。地球上では人間の次に賢い(のでは
ないか?)」と記してきた。
 ここ数年におけるカラスの知能に関する研究の
進展は大きく、カラスの知られてこなかった頭の
良さが明らかになってきている。
 先日も新しい研究結果が発表された。
 宇都宮大学農学部の杉田照栄教授のグループ
の研究によると、カラスは数の大小を認識できるの
そうだ。
 宇都宮大の杉田教授と言えば、昨年「カラスは
人間の男女の顔の見分けが出きる」という研究結
果を発表したした人で、当ブログでも、その研究に
ついて記したことがある。
 さて今回の研究はカラスが数の大小を認識でき
るというもので2003年から教授と学生により実験
が進められてきた。
 何と成果が出るまで8年もかかっている。
 実に地道な研究である。
 さぞかしご苦労があったことと思う。
 何しろ相手がカラスなので、こちらの言うことを聞
いてくれるわけではない。
 だが、人の要望をハイハイと聞いてくれるカラスが
いたとしたら、それはそれで大いに気持ちが悪い。
 実験はハシブトガラス8羽で行われた。
 ケージ内にカラスを入れ、同じ形状の2つのエサ
箱を用意した。
 片方には2個の丸印を、もう片方には5個の丸印
をつけた紙製のふたをかぶせた。
 5個の丸印がついたエサ箱だけふたを破って中の
エサを食べられるようにする。
 これでカラスが5個の丸印のエサ箱からエサを
食べることを学習させる。
 エサの取得率が70%を超えるまで、この学習は
続けられた。
 次に、エサ箱のふたのデザインを3つのパターン
に変えた。
 ①印の配置を変える②印を三角や四角にする
③印の大きさを変える、と3つのパターンを用意し
た。
 これを1羽につき20回の実験をした。
 この実験の結果、カラスは、印の位置や形、空い
たスペースの面積で判断していないことが裏付けら
れた。
 さらに、印の数を2~8個に変え、3個と5個、5個
と8個といった5パターンでも20回実験した。
 こちらの実験では、5個の印と6個の印の場合を除
き、平均約70%から約90%の確率でカラスは数の
大きいふたのついたエサ箱を選択した。
 この結果により、カラスは数の大小がわかる、と判
断されるとしている。
 なお、これらの結果は個体差があり、取得率にして
最高82%のカラスもいれば、最低の62%のカラスも
いたそうだ。
 なるほどぉ~。
 カラスは数までわかるのか。
 おそるべしである。
 杉田教授によれば「(カラスは)脳の一部をみれば、
人間の5、6歳に当たる能力がある」そうだ。
 5~6歳か。
 カラスにはそれくらいの知能は楽勝にありそうだ。
 何しろカラスには驚くべき目撃談が幾つも報告され
ているからだ。
 神社の賽銭を盗み、ハトのエサの自動販売機でエ
サを買って食べていたとの報道がされたこともある。
 杉田教授は、こう語っている。
「改めてカラスの知能の高さに驚いた。人間社会で
敵視されやすいカラスだが、生態を解明することでよ
りよい共存関係につながるはず。今後も隠れた能力
を引き出したい」
 人間はカラスの大変な知能に気がついていないだ
けなのだ。
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