不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

疑心暗鬼とセミの鳴き声。

 我が家の付近のセミは毎朝、6時前頃から一
斉に鳴き始める。
 雨天や余程の強風でも吹かない限り毎日大体
同じ時刻に鳴き始める。
 これは毎年同じである。
 だが、ある方のブログを拝見すると「今年はセミ
の鳴き方が少ない」という記事があった。
 その方は「これは地震の影響に違いない」との
ことである。
 えぇ~、それはないよぉ~!
 セミの研究者によると「セミ地震に影響される
ようなことはない」そうだ。
 そりゃ、そうだろうな。
 セミってちょっと鈍そうな昆虫である。
 セミに、地震を感じるような繊細なセンサーが備
わっているとは、とても思えない。
 実際、我が家の周辺を含め当地では例年並に
鳴いている。
 連日の蝉時雨である。
 では、何故「今年のセミは鳴き方が少ない」と思
われるのだろうか。
 私は、これはその方がちょっとナーバスになり過
ぎているのではないか、と推測している。
 減ってきたとはいえ毎月一回は震度3程度の余
震がある。
 これが何ヶ月も続いているのだから、神経も過剰
に反応してしまっても不思議ではない。
 その方のブログ記事のコメント欄では読者からコ
メントがいくつも寄せられている。
 そこには「当地では例年通りですよ」「毎年と同じ
ように鳴いています」とある。  
 そうなのだ。
 実際、セミは今年も変わらず鳴いているのだ。
 だが、そのブログ主は「でも今年は少ないんです」
とコメントを返している。
 なかなか頑なである。
 このブログ主はそう信じ込んでいるのだろう。
 そもそも家の中で窓を閉めきってエアコンをかけて
いて、外に出ればクルマに乗って移動していれば、
セミの鳴き声など聞こえはしない。
 毎年セミの鳴き声を気にしているような人ならともか
く、そうでなければセミの鳴き声の大小、多少などわ
かりはしないだろう。
 大震災以来「今年は何か自然現象において変調が
あるのではないか?」と疑心暗鬼となっている方が多
くおられる。
 それが、割と簡単に判断できそうなセミの鳴き声に
結びついたのではなかろうか。
 井戸水の水位を計測する、といった面倒なことはし
ない。
 
 疑念は常に楽な方向に流れやすいものである。