昨日朝9時20分、我が家の周辺で今年
初めてのセミの鳴き声を聞いた。
もうそんな頃になったのか。
まだ梅雨も明けていないのに、セミとはち
ょっと早すぎるような気もする。
ここ数日最高気温が真夏並みになってい
たので、間違えて羽化してしまったのかもし
れない。
セミは、成虫になると1週間ほどしか寿命
が無い。
これだけを考えると、何だか儚い生き物の
ようにも思えてくる。
だが、日本では古来よりセミを儚いとは見
てはこなかった。
それはやはり、ミ~ンミ~ンとその鳴き声
があまりに大きいためであろう。
あんなに大声で毎日鳴いていれば「儚いな
ぁ」などとは誰も思わない。
それに鳴く時期が夏の暑い時期である。
暑い上に「ミ~ンミ~ン」と鳴かれると「うるさ
い!」と思うだけで、儚いとは思われ難い。
鳴き声の他にもセミが儚いと思われ難い理
由はある。
それはセミの大きさと形である。
セミは昆虫としては大きい部類に入る。
しかも形ががっちりしている。
頑丈そうである。
セミは鳴くだけで性格はおとなしい昆虫なの
でよいが、これが人を襲うような昆虫だったらか
なり怖いような形でもある。
あんなに大きな昆虫が人に飛びついて血で
も吸われたら、と思うとゾッとする。
しかも口の針は大きい。
あぁ、セミがおとなしくて良かった。
セミは実は儚い生き物であると思うのだが、
その鳴き声と形態で損をしている。
だが、セミはそんなことも気にせずに今日も
鳴き出した。