不二家憩希のブログ

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農機具を友人に譲る。その③

 一年経過する間にNから何の連絡も無かっ
たわけではない。
 時折、思い出したように電話が入った。
「今度行くから・・・」
 そう言われれば、こちらとしては待つほかは
無い。
 だが、その「今度」という日はいつまで経って
も来なかった。
 Nとしては気にはしているので電話は入れる
のだが、具体的にいつ取りに行ける、と明言出
来ないような状況にあるらしい。
 これがビジネスとかだったら「いつになるのか?」
と明確な約束を取り付けようするのだろう。
 だが、これはビジネスといったものではない。
 単なる友人同士でのやり取りである。
 となると、期日というものは曖昧になってくる。
 まぁ、いいか、ということになってしまってくる。
 それで、私は気長に待つことになった。
 置いておいても腐るものではないし、いつでも
いいか、と思うことにした。
 そうは言っても、半年を過ぎる頃になると、私も
待ちくたびれてくる。
 そして何度目かの電話でNはこう言った。
「あんまり長く待たせているんで、他に要るって言
う人がいたら、その人にあげても良いよ」
 なるほど、そうくるか。
 でも、そう言われても私の身近に家庭菜園をや
っている人はいない。
 一応、いろいろな人にも尋ねてみたが、農機具
は必要ない、という人ばかりだった。
 物があっても、それを必要とする人がいないので
ある。
 さて、、どうしようか?
 そこで私はあることを思いついた。
 
 ~続く~