県護国神社への寄付を集めて回った。その①

　土曜日の朝１０時頃、我が家に町内会の役
員のＳさんが来られた。
　Ｓさんは回覧板の配布物を各班長宅に配達
する係である。
　私はＳさんに挨拶をして受け取った。
　Ｓさんは足早にクルマに乗り込むと隣の班
に向かったようだ。
　私は配られてきたものをチェックする。
　チェックといっても、一通り目を通すだけ
だ。
　今回は配布物や書類が沢山ある。
　その中に他の書類とは別に輪ゴムでまとめ
られた書類があった。
　見ると、それは○○県護国神社のお初穂料
の取りまとめについてのプリントと寄付を入
れる茶封筒だった。
　茶封筒は世帯数分だけある。
　茶封筒の表には寄付金額の記入欄と寄付者
の郵便番号、住所、氏名を書く欄がある。
　その裏には寄付についての説明などが書か
れている。
　そうか、護国神社の寄付はこの時期だった
のか。
　毎年やっているのに、いつだったか忘れて
しまっている。
　その年の班長さんが集めに来られた時によ
うやく思い出し、払っているのだ。
　つまり寄付金の額は忘れてしまう程度の額
ということでもある。
　そして今年は私は班長である。
　例年と違い、私が集める立場である。
　これはこれで少なからず気を使うものであ
る。
　私にはビジネスでなくお金を集めるのは、
何か違和感がある。
　ビジネスじゃないから気楽なのでは、と思
われる方もおられるかも知れない。
　だが私にとっては、非ビジネスの集金は疲
れるものなのである。

　～続く～