不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

ローカル新聞の見本紙を読んだ。その⑧

 私の最初の一言で電話の向こうの新聞社の
女性の声のトーンは急に大人しくなってしま
った。
 今思うとちょっときついことを言ってしま
ったのかも?とも思うのだが、その時はそん
な気遣いは思いつかなかった。
 人間は自分が発した刺激的な言葉や行動に
より、よりエキサイトしてしまうことがある。
 自分で自分の感情に火をつけてしまうので
ある。
 これはありがちなことだとは思うが、冷静
さに欠け、あまり賢いことではない。
 脳が熱くなるとろくなことが無い。
 人間は冷静さを失えば、どこにに進んで行
ってしまうかわからなくなる。
 私は普段はなるべくそうはならないように
心掛けているつもりだが、今回は油断があっ
たようだ。
 私は次々にT新聞の紙面のおかしなところ
を指摘していった。
 発表された内容を載せているだけで、まと
もに取材した記事が殆ど無いことなど、今回
の連載に記したようなことである。
「こんな新聞なら素人だって作れますよ」と
も言った。
 これもかなり失礼な言い方だが、本当にそ
う思ったので言ったまでである。
 私は批判を始めると図に乗ってしまう傾向
がある。
 自分で言うのも如何と思うが、その批判が
割と的を射ているからだと思う。
 そして自分の批判に自分で酔ってしまうの
である。
 愚かとしか言いようが無い。
 それに今回は先方が「感想を言ってくれ」
と言ってきたものだから余計調子に乗ってし
まう。

 電話の女性は、そのまま私の話を相槌を打
ちながら聞いていた。

 ~続く~