社会福祉協議会の集金に回った。その①

　家にいると、いつもの町内会の役員の方が
来られた。
　市の広報紙や回覧文書、それに市の社会福
祉協議会の集金袋を渡された。
　私は、４月に町内会費を集めてしまったの
で、もうお金を集めることは殆ど無い、と思
っていたのだ。
　そうか、社会福祉協議会の集金があったの
か。
　忘れていた。
　私は、え～と、これはどうやって集めるん
でしたかね？と役員の方に尋ねた。
　私は今年が始めての班長なので、よく分か
らないことがいろいろとあるのだ。
「それは袋に書いてありますので、読んでい
ただければわかると思います」
　何だ、案外そっけないなぁ。
　お金を集めると言うのに、そんなにあっさ
りしていて良いのか？
　それとも、単純で簡単なことなので、口頭
で説明する程のことではないのか。
　そうですか、わかりました。
　私は袋を受け取った。
　Ｂ４程の大きさの袋の裏表にいろいろと説
明が書いてある。
　お金を集めて、右端の領収書を渡すこと、
集まったお金の合計を袋の記入欄に書くこと
などが載っている。
　確かに誰が読んでもわかるような書き方が
してある。
　まぁこれを読めば私でも何とか出来るかも
しれない。
　だが、集金というのは、それなりに繊細な
ことである。
　集めるのも支払うのもそれなりに繊細なの
だ。
　しかも、これは町内会の活動の一つである。
　営利活動ではなくお金を集めると言うのは
やはり質的に異なってくる。
　営利活動ならば気持ちとして割り切れるが、
そうでないとなるとこれは複雑なものがある。

　その日は雨が強く降っていたので、集金に
回るのはやめた。
　明日の朝８時から回ることにしよう。
　
　～続く～