不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

自転車の錠が壊れた。

 いつものスーパーで5㎏入りのお米を買った。
 店を出て、さて帰ろうと自転車の錠に鍵を
差し込んだ。
 だが、錠は動かない。
 何度も差し込んでみるが錠は固まったまま
である。
 とうとう壊れたか。
 この錠は、リング状になっていて後輪を固
定する形のものである。
 こういう時は、どうすれば良いのか?
 家まで何とか自転車を引きずって行って、
改めて対策を練るべきか。
 だが、今日はお米5㎏を買ったばかりだ。
 自転車とお米を同時に運ぶのは不可能とは
言わないが、負荷が大き過ぎる。
 では、どうしよう?
 私は、年に数回新聞チラシを入れている自
転車店のことを思い出した。
 その自転車店は市内の中心部の自社ビルに
店を構えている。
 1階が店舗で2階以上が住居である。
 そこの自転車店のチラシでは、出張修理を
している、と書かれていたのだ。
 早速、その自転車店に電話をしてみる。
 私は事情を説明した。
 すると、電話口の自転車店の主人らしい声
はこう言った。
「クルマでお伺いすると片道あたり1500円の
出張料金がかかります」
 1500円か、結構かかるなぁ。
「それで自転車を店にまで運んで店で修理を
するというか形になります」
 え?現地で修理するんじゃないのか?
 それでは、出張修理とは言えないんじゃな
いのか。
「それに、今、他の修理が入っていて、すぐ
には行けないんですよ」 
 そうですか。
「えーと、その自転車は当店でお買い上げに
なったものですか?」
 違いますけど。
「そうですか」
 その店で買ったものと、そうでないのと対
応が違うのか?
 結局、私はその自転車店に頼むのを止めた。
 料金システムや上からものを言うような態
度が気にいらなかったからでもある。
 それでは、どうしよう?
 私は、もうひとつの自転車店に電話するこ
とにした。
 その店は通りの幹線道路沿いにある。
 店舗も昔ながらの風情の自転車屋さんであ
る。
 私は、状況を説明した。
「はい、わかりました」
 あっさりした返事である。
 すみません、出張料金はおいくらですか?
「500円です」
 500円!
 前の店の3分の一だ。
 ここにお願いしよう。
「じゃぁ、すぐにお伺いします」
 それから5分すると、軽トラックがやって
来た。
 車体に緑色で「○○サイクル」と書いて
ある。
 店のご主人が降りてきて早速作業が始まっ
た。
 世間ずれしてなさそうな人だった。
 商売人というより職人という感じだった。
 錠を切断し、新たな錠を取り付けた。
 この間5分間ほどだった。
 料金は錠と出張料金で2780円だった。

 自社ビルの何代目かのボンボンの自転車
店よりも、昔ながらの自転車店に私が好感
を持ったのは言うまでも無い。
 私は次に自転車を買うときは、この自転
車店にしようと決めた。