不二家憩希のブログ

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「伝統金縛り」

 北京オリンピック・シンクロナイズドスイ
ミング・デュエットで日本の原田・鈴木組が
三位にはいった。
 これで日本勢は、シンクロがオリンピック
に採用されて以降の7大会で連続のメダル獲
得と言うことになる。
 男子レスリングでも、同様だがメダルの連
続獲得記録が継続されていたりすると後輩は
大変である。
 同じ日本人の先輩であっても、他人であり、
後輩にまでその技術や体力等と言ったものが
自動的に受け継がれるわけではない。
 後輩は「伝統なんだから!」と言ってハッ
パをかけられ、強い圧力を感じてしまう。
 伝統=正義、というのがこの世の中で殆ど
の人が信じてしまっている価値観だからであ
る。
「ハイ、わかりました」と答えるしかなくな
ってくる。
 選手は対戦相手に立ち向かう勇気はあって
も、世間の常識に異を唱えるほどの反抗心は
持っておらず、同時にそんな暇も無い。
 これを「伝統金縛り」と私は名付けた。
 各メディアも、その競技種目を象徴するド
ラマを常に探している。彼らメディアは競技
結果だけを伝えていては紙面や持ち時間がう
まく埋まらないので、その競技に付随する何
らかのドラマを織り込んでいくのである。
 伝統というのは、その中でももっともわか
りやすい題材でもあるので、すぐに取り上げ
られてしまう。
 そして、選手達に「伝統、伝統」とプレッ
シャーをかけてくるのである。
 この伝統金縛りにあってしまうと、本来持
っている力を出し難くくなる。
 伝統が守られて嬉しいのは、既に現場を退
いたOB達である。
 自分達の寄る辺が保たれるからである。

 後輩は、先輩達のために頑張るしかない。
 スポーツマンは楽ではないのだ。