不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

古チラシを縛っていたら。

 昨日、古新聞を縛り終えた時、左手に血が
ついているのを見つけた。
 どうして血が?と思って見てみる。
 別に痛くもないし、おかしいな。
 もっと、よく見てみると左手の人差し指の
第一関節の背の部分に一本筋が入っている。
 何事も一本筋が通っていることは大歓迎だ
が、指に付いているとはどういうことだ。
 その筋を見ていると、その筋の割れ目から
血が出ている。
 筋といえば別のもののようだが、これは傷
である。
 だが、本人は血が出ている様子を見るまで
傷だと気付かなかった程度のものである。
 血と言ってもじわじわにじみ出ているだけ
なので大したことはない。これが噴水のよう
にシューッと出ていたら、指が真っ赤になる
前に、顔が真っ青になっていたところだろう。
 
 その傷は古新聞と一緒に新聞チラシも縛っ
たので、その時に出来たのであろう。
 紙は意外に良く切れる。
 紙といえば一般に弱いもの破れやすいもの
の例えに用いられることが多いのだが、いつ
でもそうとは限らないのだ。
 チラシのふちは案外侮れない。
 書店に勤めていた人に聞いた話だと、紙で
本当によく手を切ったそうだ。それで、商品
出しの時には手袋をしていたそうである。

 弱いと思い込んでいたものが、意外な脅威
になることがあるということなのであろうか。

 その傷は、そのまま放っておいたらそのう
ち血も止まった。
 いつの間にか出来た傷がいつの間にか治っ
ていた。
 
 生きていくということは、知らないうちに
傷ついていて、その傷も知らないうちに治っ
ている、ということの繰り返しなのかもしれ
ない。