不二家憩希のブログ

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2007年は食品偽装の年だったのか?

 昨年、2007年は食品偽装が頻発した年であ
る、という報道のされ方をされているが、これは
正確な表現ではない。
 食品偽装の「発覚」が多かった年、というのが
正しい。
 食品の偽装自体は長年にわたって行われてきた
のであって、昨年に一斉に起こったわけではない。
 それらは、告発や通報を受けた外部機関による
内偵が行われ、裏付けが取れたためやっと摘発さ
れたのだ。
 昨年騒がれた食品偽装問題とは、表面化した事
実を一般の人がようやく知るようになったという
だけのことなのである。
 
 2007年は偽装の年だ!というフレーズでメ
ディアに流されると、それらは昨年において特徴
的な出来事であったと言うように記憶されてしま
うのであるが、そうではないのである。
 あくまで、多くの有名企業による食品偽装が
「発覚した」年なのであって、それらが突如起こ
った年ではないのである。
 メディアはこれらを大きく取り上げるのだが、
彼らもまた一般市民同様にこれらの事実を知らな
かったために大騒ぎしているに過ぎない。
 そして、この問題を色々と論じて見せる。その
議論もいかにもせっかちで結論をあっという間に
出してしまっている。
 新聞・雑誌といった紙メディアやテレビ・ラジ
オといったお手軽メディアでは、何かと一つに括
りたがる習性があるのだが、物事はそれほど単純
に起こっているわけではない。
 物事を無理やり一つにまとめ、それらにもっと
もらしいしいコメントをつけて満足してしまうと
いう点が、これらメディアのおめでたいところで
ある。
 何でもかんでも一言で言えると思い込んでいる
のだろう。
 この点は速報性の高いメディアほど顕著である。
 テレビは特に何事もすぐにまとめたがる。
 まとめてしまえば理解できた、というふうに思
い込んでしまっているようである。

 こうして一旦、各種メディアに2007年は食
品偽装の年、として記録されてしまうと、それら
は人々の記憶に固定されてしまう。

 記憶や記録に固定されてしまうと、それらは事
実として認定されてしまうのだが、それらの多く
は、実はそれほど正しくは無いのである。