電撃離婚とは何か

　元横綱の花田勝氏が離婚されたそうだ。
　メディアでは、「電撃離婚」と報道されている。
　私は、この「電撃」という形容の仕方はおかしい、
と前から思っている。
　電撃とは何なのだろう。
　電気でも通すのだろか。ビックリ人間の世界の話な
のだろうか。
　そうではなく、急に発表されて驚きをもって迎えら
れる知らせのことを、電撃○○と形容するのだ、とい
うことは私も理解している。
　だが、それは普段は何でも知っているかのように振
舞っているメディアが、それらの事実をあらかじめ知
らなかったということである。
　それを大袈裟に、電撃○○と言うのである。
　花田氏の離婚にしても、急に決定したものではある
まい。何度も協議した上での決定であったに違いない。
　それが表沙汰になっただけのことである。
　メディアは、普段はいろいろなゴシップを下品に嗅
ぎまわっているくせに、いざとなったらこうした形容
を用いて自分達のある種の怠慢を覆い隠そうとしてい
るに過ぎないのである。
　電撃○○、とすれば自分たちの取材力の無さを隠せ
るのである。

　米国大統領のイラクへの電撃訪問、とか言う場合も
同様である。入念に極秘裏に計画が進められていたの
をメディアが気づいていなかっただけのことである。
　メディアなんて、実はそれほどのものでもないので
ある。
　わが社は取材力と人脈をもって、あらゆる情報をあ
らかじめ掴んでいる、という幻想をメディア各社は世
間に浸透させようとしているが、私達ははそれに騙さ
れてはならない。

　彼らは、ことをセンセーショナルに伝えることによ
って自らの無能さを隠そうとしているのである。
　そして報道する事実についての理解も極めて浅い。
　だから、花田氏の離婚が他のニュースを押しのけて
トップニュースとして報じられたりするのである。
　
　ニュースを見れば見るほど、人はバカになっていく
である。