不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

夏が好きなセミ

 今日は寒冷前線が本州を南下してきているそうで、昨
日までの猛暑の日々も一服といったところである。
 夜半からは雷雨もあり、久しぶりに快適に過ごすこと
が出来た。
 夏の日の雷雨は、本当に気持ちがいい。出来ることな
ら毎日お願いしたいくらいだが、そうもいかないらしい。
 
 今朝は急に涼しくなったので、いつもは早朝から鳴い
ているセミも今日は遅番らしい。一匹も鳴いていない。
 人間は暑いと何かとやる気を失うのだが、セミは暑く
ないと鳴く気が失せてしまうのかもしれない。
 暑くなきゃ鳴けないよ、というのが彼らのポリシーな
のか。
 それでも、一匹位は俺は自分だけでも鳴くぜ、という
跳ね返りがいそうなものだが、そういう一匹狼はいない
ようだ。もっともこの場合は、一匹ゼミとでも言うのだ
ろうが。
 鳴くとなったら、一斉に鳴く、というのが何だか日本
的な感じがする。さすが日本のセミである。
 はみ出し者はお断りなのである。
 海外にはセミ自体が日本ほどは生息していないらしい。
 虫も国民性に合わせて暮らしているのかもしれない。

 それから時間が経ち、セミが鳴き始めた。
 気温もそれほど上がってはいないので本当は鳴く気も
もう一つかもしれない。
 もうちょっと暑くなってくれないと調子が出ないよ、
と言っているかもしれない。
 
 セミは、あんな暑苦しい外見にもかかわらず夏が大好
きなのだ。
 セミの外見は、いかつすぎる。色も黒やこげ茶で夏向
きとは言えないと思う。どう見ても夏の虫ではない。
 だが、彼らは夏が好きなのだ。

 人だけではなく、虫も見かけによらないらしい。
 容姿は時に雄弁だが、常に真実を語るわけでもない。
 見かけだけで判断すると、自らの愚かさを披露するこ
とになるのである。