不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

近所に建売住宅が建つ。

 家に帰り、郵便受けに手を突っ込んだ。
 何やら柔らかい物の感触がする。何だろう?
 それは、タオルだった。それに一枚の挨拶状と名刺が
添えられていた。
 挨拶状には、近隣の皆様へ・工事着工のお知らせとあ
る。 
 下記地図の土地において○○不動産 建売邸の新築工
始めさせて頂きます。細心の注意を払い工事を行います
が、近隣の皆様には工事期間中、大変ご迷惑をお掛けす
ることになりますので、ご理解の程よろしくお願いいた
します。
 なお、工事期間は12月下旬までの予定です。
 工事期間中、何か気になること、お気づきのことなど
ありましたら、どんなことでも結構ですので、下記まで
ご連絡ください。よろしくお願いいたします。
              有限会社◎◎ホーム
 とある。
 うちから3軒隣の空き地に家が建つと言う話は、前に
少し聞いてはいたが、いよいよ工事が始まるのか。
 その土地は、今まで家が建てられたことがない。
 原始時代は分からないが、少なくとも人が二足歩行を
始めて以来、家が建てられてこなかった土地なのである。
 どうしてそういうことになったのか、と言えば、その
空き地が三角地である、ということが大きな理由の一つ
ではないだろうか。
 横に長い三角な土地で、家を立てるには?という場所
なのである。
 勿論三角地であっても、素敵なお宅は世間に沢山ある
のだが、ここはちょっとなぁ、というのが正直なところ
である。

 そして挨拶状をよく読むと、この家は建売邸とある。
 まさか建売という苗字の人でもあるまい。
 ということは、これは建売住宅なのだ。
 住む人が決まっていて建てるのではないのか。
 あの土地に建売住宅とは、随分思い切ったことをなさ
る不動産屋である。
 家を建てて土地の価値を上げて、それを売って利益を
出す、ということなのだろうか。
 今まで誰も手を付けなかった土地に家を建てる。
 恐ろしくギャンブラーな人たちである。不動産業って
そういう業種なのだろうか。
 売れなかったらどうするんだろう?
 始める前に売れないことを想定すると言うのは、素人丸
出しな発想なのかもしれないが、果たして売れるのだろう
か?
 不動産屋も建築会社も、地元の小さな会社のようである。
 大丈夫なのだろうか。
 私が不動産事情に疎いだけで、案外良いビジネスなのだ
ろうか。
 リスキーな事業である。
 私は、その家をリスキーハウスと勝手に呼ぶことにした。

 挨拶の品のタオルは、サンドカラーのジャガード織りの
高そうなフェイスタオルであった。
 前日に、信用金庫に1500円も払わされてICチップ入
りのキャッシュカードを無理やり新調させられた時にも、
有料とは・・・と文句を言ったらフェイスタオルをくれた
のだが、そのタオルとは大違いの高級品だ。

 不動産屋はこんな高級なタオルを配ってやっていけるの
だろうか。
 それとも、これは無知な人間の大きなお世話なのだろう
か。
 
 さて、家の買い手は現れるのか。
 出来たら、良い人良い家族が住んでくれると嬉しいのだ
が、どうなるのだろうか?
 これから少し気になることの一つではある。