不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

逆風という言葉と安倍政権

 今回の参議院選でも頻繁に使われた逆風と言う言葉に
は、その使われ方に注意を払う必要がある。
「逆風を受けて・・・」といった様な使われ方をしてい
るのだが、今の日本では、この逆風を吹かせている方が
悪くて、吹かれている方は正しい、というニュアンスが
含まれている、ということに気づいていなければならな
い。
 つまり、逆風は吹かれる方が正義で、吹かせる方は悪
という図式を使っている人は心の中では持っているので
ある。
 これは、少し前にはやった抵抗勢力という言葉にも通
じるものがある。自分に抵抗するものは、その主張の内
容に関わらず悪である、という決め付けからその議論が
始まってしまっているのである。
 状況の分析など、最初から存在していないのである。

 さて、この場合の逆風と言う言葉には、自分たちは本
来正しいのだけれども、その活動を妨害する力が私たち
に働いてしまっている、という意味が含まれている。
 また、逆風という言葉には、逆風を吹かせているのが
一体誰なのかが明確にされておらず、これもまたこの言
葉の使用の頻度を上げている一因である。
 何か良く分からないが、物事がうまく運ばないと言う
時に使われるのだ。
 また、逆風が吹くという状況に自分たちには責任はあ
りません、ということも意味している。
 もし、状況分析が綿密に行われていれば、逆風などと
いう表現はしないだろう。
 例えば、執行猶予中の人が
「世間の逆風が強くて・・・」とは言わないだろう。そ
れはそうなってしまった責任が明確になっているからで
あり、置かれている状況を骨身にしみて理解しているか
らである。
 逆風という言葉を使用している時点で、自民党や安倍
政権は、自分たちは悪いことはしていません、と宣言し
ているし、状況もよく把握していません、とも言ってい
るのである。
 逆風と言う言葉は、便利な言葉のようなのだが、実は
使用している人の姿勢が露になってしまう言葉なのであ
る。

 そういえば、安倍首相夫人は、選挙期間中によく逆風
と言う言葉を連発していた。やはり、自らが置かれた状
況やその責任に対してまともな認識が行われいなかった
のだろう。
 だが、彼女を責めるのは酷だ。
 彼女は、ヨーダ姫であって地球人ではないからだ。