疫病退散のご利益があるということでアマビエ様が一躍全国に知れ渡っている。
アマビエ様の他にも、こうした不思議な伝承をもつ存在がいるそうだ。
江戸時代末、薬草を採りに山に入った者の前に現れ、疫病流行を予
言した。
そして「私の姿を見れば疫病を免れられる。見ることがことが出来な
い人々には、私の姿を絵に描いて知らせない」と告げた。
それ以降、クタベ様の言葉と肖像が描かれた絵が広範に配られること
となった。
おぉ、これはアマビエ様と同じパターンだ。
どちらも正体不明の半人半獣で、疫病流行を予言し、自らの姿を模写
して広めよと告げている。
実に興味深い。
霊獣の突然の出現と予言、救済の方法の告知と宣布の奨励である。
「私を祀れ」とは言っていない。
ただ「私の姿を世間に広めよ」と教えるだけである。
救済の知らせを伝えているのに、決して上から目線ではない。
ただの神憑りとは異なっている。
これは特異である。