回覧板をお隣のNさん宅へ持っていった。
奥さんは回覧板を受け取るとこう言った。
「ケーキ君、金柑食べる?」
Nさん宅の庭には金柑の木があり、実をつけている。
食べます、と答えると奥さんはタッパー状の容器を持って来られた。
容器いっぱいに金柑の甘露煮が詰められている。
「作ったんだけど、誰も食べないのよ」
えぇ~、それはもったいない。
「食べて良かったら、また作るから」
私はありがたく受け取った。
食事の後、金柑の甘露煮を食べてみる。
おいしい!
お店で売られていても人気が出るだろう。
これだけおいしいものを誰も食べないとは。
まぁ食の好みは人それぞれだからなぁ。
実は金柑をちょっと食べてみたいなぁと思っていたところなのだ。
絶好のタイミングである。
私は幸運な人間である。