不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

班での弔問。その⑥

 TS家が、ほぼ無宗教だということはわかった。
 葬儀に僧侶がいないと形にならないので、葬祭業者に
紹介してもらう、まぁそんなものだろう。
 奥さんが、葬祭業者を褒め始めた。
 「何でもやってくれる」「こちらは何もしなくても良い」と話
す。
 あぁ、業者にうまく丸め込まれているなぁ。
 軽い洗脳に近いかもしれない。
 闘病期間が半年あったものの、病状急変での逝去であ
り気持ちの動揺は小さくない。
 気持ちが弱くなっている。
 判断力が鈍くなる。
 何かに頼りたい気持ちが増す。
 業者はそこに付け入り、親切と商売を巧みに混ぜ、心理
的に接近を図るのである。
 私は少しアドバイスをしようかと思った。
 私は、こうした場面では異様とも思われるほど冷静であ
る。
 自分の両親の喪主を務めた際にも、起こっていく現象を
冷めた目でで見ていた。
 そうした観察の中で「これはおかしい」ということがいくつ
もあった。
 それをどなたかに教えようかと思っている。
 だが、心中で検討し取り止めた。
 ここでいろいろ言ってTSさんと深く関わるのも、正直面
倒だと考えたのだ。
 「おいおい、それは冷たいではないか」
 そう言われるかもしれない。
 私とTSさんのお宅との付き合いの中でいろいろあった
のだ。
 ご近所で何十年も暮らしていると、いろいろあるのだ。

 ~続く~