「バッカーン!」
その音は打ち上げ花火だった。
お祭りの時と同じ、本式のものである。
年越しの零時ちょうどに打ち上げているのだろう。
連続して3発、上がった。
あぁ、これで終わりか。
そう思っていると、再び音がする。
音は続く。
何発も上がる。
3~4発ほど上がると、数十秒止む。
そして、また上がる。
これが10分ほど続いた。
深夜零時に10分も花火を揚げる。
結構な本数である。
打ち上げ花火は、かなりの高額である。
号砲だけのものでも一発4~5万円はするだろう。
誰がスポンサーなのだろうか?
誰が主催して揚げられているのだろうか?
音だけの号砲なのか?
あるいは色のついた花火なのか?
いずれも確認できていない。
このあたりの人に尋ねてもわからない。
少なくとも当町内連合会ではない。
そんな予算は無いからだ。
施主は誰なのか?
個人なのか、企業なのか、団体なのか?
正体不明である。
目的は何か?
謎である。
午前零時の花火である。
景気づけには良いが、深夜に揚げられると微妙
な気分にもなる。