不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

うちだけではなかった。

 「お宅は台風はどうだったですか?」(方言混じりで
あるが、標準語に翻訳してある)
 そう声をかけてきたのは、70歳台後半から80過ぎ
位の女性だった。
 「凄く吹きましたよね」
 その人は、張りのある声でそう言った。
 「前の日までの予報では、『今回の台風はそれほど
大きくならない』とか言っていたのに、あんなに大きく
なって」
 「日本周辺の海温が高いので、日本に近づくに連れ
て大きくなったそうですね」
 なかなか気象に詳しいなぁ。
 メディアでの報道・解説をきっちり理解しているようだ。
 「私の友達の田圃を見に行ったけれど、稲は少し倒
れたけれど大丈夫みたい」
 「何年か前の時は、田圃が水浸しになって駄目にな
っちゃたけれど」
 お話好きの人なんだな。
 私は差し障りのない返答をする。
 基本は誰に対しても自虐ネタである。
 うちもですね、壁に当たったりした雨が伝わって入っ
てきて雨漏りがしまして。
 今回は、やはりこのネタが中心である。
 「あぁ、それなら、うちもなりましたよ。あれはねぇ、仕
方ないのよ。大きい台風が来るとどうしても、そうなるの
よ」
 なんだ、そうなのか。
 私はそれを聞いて、ちょっと安心した。
 うちだけがそうなるとまでは思っていなかったものの、
実際に体験しておられる方の話を聞くと、ちょっと心強い。
 それならば、やはり我慢するしかないな。
 それに、あのような大きい台風は、そうは来ないだろう。
 だが、ここ4~5年の間に過去に例のないほどの大きさ
の台風がいくつも来ている。
 それ以前は、まず来なかったような巨大台風が頻発している。
 あぁ、地球はどうなってしまったのだろうか?
 そんなぼやきを交えながら、その女性との会話は続く。