不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

TEさんのお通夜にいった。その⑤

 この時期夕方5時半は真っ暗である。
 歩いていると前方に黒い人影が見える。
 喪服を着た女性のようだ。
 TEさんのお通夜に行かれる方だろう。
 進むに連れ喪服の人が増えてくる。
 同じ町内の方なのだろうが、皆さん同じ格好なの
でどなただかさっぱりわからない。
 もっとも私の場合、普段でも知っている人が限ら
れている。
 同じ班の人は分かるが、それ以外だと同じ町内
会の人でも知らない。
 従って喪服のせいにしてはいけないのかもしれな
い。
 TEさんのお宅が見えてきた。
 家の前にはスタンドが設置され明かりが灯されて
いる。
 このスタンドを一般家屋の前で見るのは実に久し
ぶりである。
 私が見た直近はもう7年くらい前である。
 あまりに久しぶりだったのでじろじろ見てしまった。
 昔は当たり前だった風景が消え去っていく。
 それは記憶の中だけに存在していく。
 悲しさと寂しさの記憶の中にはっきりと残っていく。
 
 ~続く~