不二家憩希のブログ

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P・フォーク~コロンボ警部を生み出す。その⑧

 ”刑事コロンボ”の原作者コンビリンク&レヴィン
ソンは、1作目から4作目の脚本を手がけた後、こ
の作品の脚本家のポジションを他の作家たちに譲って
いる。
 そして、自らは原作者として作品のプロデューサ
ー的立場についた。
 彼らは何故そのようなことをしたのだろうか。
 これは自分たちだけで書いていると、いずれ作
品の質が落ちてしまうことを懸念してのことだと思
われる。
 そうなる前に、当時の気鋭の作家たちに書かせ、
自分たちは作品設定のチェックと助言などをするこ
とに専念したのであろう。
 では、そもそも、どうしてそのようなことが可能だっ
たのだろうか。
 何より脚本を書かねば彼らにはギャラが入ってこな
いはずである。
 また、最初期の4作を書いただけで原作者として
認知されるのだろうか。
 そこは米国である。
 脚本にも当然著作権が認められている。
 その上、リンク&レヴィンソンは”刑事コロンボ”のか
なり細かい設定まで権利の網で覆っている。
 コロンボ警部の名前、つまり”コロンボ”とコロンボ
部を思わせる扮装を同時に使えないようにしてあるのだ。
 つまり、お馴染みのコロンボ警部の扮装でコロンボ
警部を名乗ってドラマはもちろん、商用利用はリンク&
レヴィンソンら許可無くしては勝手には出来ないように
してあるのだ。
 仮に、使用許可がおりても、かなりの高額の使用料
金が発生する。
 えぇ~、なんだそりゃ~と思われるかもしれないが、
彼らは用心深く抜け目がないのである。
 そんなことあるのかぁ~?、という方もおられるかもし
れない。
 明日は、同様の規制がかかっている作品をご紹介す
ることにする。
 これもかなり有名な作品なので、なるほどと思われる
かもしれない。
 1995年にトヨタ・カローラのCMに登場したピーター・
フォーク。
 見れば「あっ刑事コロンボだ」とわかるのだが、CM
中には「刑事コロンボ」「コロンボ警部」という言葉は
一切出てこない。
 雑誌の広告にも、「コロンボ」の表記は一切なかった。
 それでもピーター・フォーク本人が出演しているので、
ギリギリここまで許されているのだろうが、他の俳優だ
ったら、この扮装でこのアクションすらNGだったものと思
われる。
 
 
 ※この”刑事コロンボ”における細かい法的内容につい
は、私もよく知らないのでご存じの方は是非お知らせ
頂きたいと思っています。
 
 ~続く~