不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その25

 ピーター・フォークは1964年に、もう1本の映画
に出演している。
 ”Italiani brava gente ”というイタリア映画である。
 フォークにとっては初の外国映画である。
 厳密にはデビュー2作目の映画”Bloody Brood"
もカナダの独立系の映画会社によるものだったが、
この会社は撮影は米国で行っていたりして殆ど米
国の映画会社ともいえるものなので、フォークにと
っての本格的な外国映画は、この作品と言って良
だろう。
 ”Italiani brava gente”は、世界初封切りがここ日
本で、その際のタイトルは”長い白い線”だった。
 英題では、”Attack And Retreat ”だった。
 この”攻撃と退却”というタイトルが示すように、こ
の作品は戦争映画である。
 第2次世界大戦のスターリングラード攻防戦にお
けるイタリア国軍の苦闘を描いている。
 スターリングラードの攻防戦は、ソ連軍とドイツ軍
との戦いがクローズアップされがちである。
 だが、この戦闘はソ連対枢軸国の戦いであり、こ
の戦いにはドイツの他に、ハンガリールーマニア
そしてイタリアも参戦している。
 しかし、戦死者数においてドイツが147,300人、ハ
ガリーが戦死・捕虜 80,000人、ルーマニアが戦死・
捕虜 160,000人であるのに対し、イタリアは戦死
25,000人捕虜 70,000人と少なかったため、イタリア
軍の戦闘については語られる機会がどうしても少な
くなってしまうようだ。
 ちなみにソフィア・ローレン主演の映画”ひまわり”も、
このスターリングラード攻防戦に出兵した夫と夫を待
つ妻の物語である。
 フォークが出演した”Italiani brava gente”は、スター
リングラード攻防戦をリアリティあふれるタッチで描き
出すことにより、戦争の悲惨さを訴える反戦映画に仕
上げられている。
 主演はイタリア映画ながら米国人俳優のアーサー・
ケネディである。
 これは米国の映画マーケットを意識したキャスティン
グで、フォークもまた同様の理由で起用されたのだった。
 つまりある意味米国代表ということである。
 ケネディもフォークもイタリア人の役だった。
 フォークといえばイタリア系米国人というイメージが強
いが、本場のイタリア人が見てもやはりフォークはイタリ
ア人ぽく感じるのだろうか。
 然しながら作品公開時には、ケネディとフォークの声は
別の匿名のイタリア人により吹き替えられている。
 フォークは貴族階級でプレイボーイの軍医の役だった。
 フォークの医師役はこれで3回目である。
 ギャングや殺し屋から医師まで、実に演技の幅が広
いものである。
イメージ 1
 イメージ 2

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 この作品も丸ごとアップされている。
 実にリアルな描写が続く作品である。
 
 ~続く~