不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

昼花火の削減。 その③

 非難を浴びたその町内会の中から、このよう
な声が上がったのだ。
「お祭りは神事である」
「儀式であるから優先される」
「お祭りは霊を悼むものである」
 公的な場で宗教的主張は禁物であることは
常識である。
 しかし、突如として思いも寄らぬ批判を受けた
ため、そうした常識のフタが外れてしまったのだ
と思われる。
 いわゆる「キレる」という現象である。
 人間はキレると普段抑えていた熱狂が表に出
てきてしまうのだ。
 この場合は宗教に対する狂信であった。
 こうした意見が出てしまうと、議論は泥沼化し
てしまう。
 片方の陣営の知性の”たが”が外れてしまっ
ているので話がかみ合わない。
 仲裁に入った人も、狂信者の熱を冷ますのに
大いに手を焼いた。
 彼らは既に正気ではないので、理屈は通らな
い。
 結局、M町では当初の予定通りお祭りを進行
させることにした。
 この判断はやむを得ないものだったと思う。
 周辺の町内会は、この事態の成り行きをじっと
見守っていたのだった。
 
 ~続く~