不二家憩希のブログ

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ワープロ・フロッピー復活作戦。その24

 フロッピーディスクは淡々と読み取られてい
った。
 久しぶりの音がする。
 かつては、この音を毎日聞いていたのだ。
 アナログとデジタルの中間のような音がする。
 私はワープロ全盛時代のテクノロジーで十
分満足していた。
 ワープロ専用機は、将来にわたっていつまで
も存在するものだと思っていた。
 それがいつの間にかワープロ専用機は姿を
消していった。
 読み取りのフロッピーディスクドライブも市場か
らは消えつつある。
 10年以上も経つと、機器の変化は予想もつか
ないものになっていく。
 今使っているこのパソコンも十年もすれば、使
うのも困難な品になってしまうかもしれない。
 
 ワープロ文書変換は、思っていた以上に簡単
であった。
 専門業者に頼むまでもなかった。
 だが、私がもう少し放ったらかしにしていたら、
フロッピーディスクドライブは手に入らなかっただ
ろう。
 そうなっていたら、専門業者に頼むしかなかった。
 滑り込みセーフであった。
 
 変換された文書とは約十年ぶりの再会であった。
 今読み返すと今以上に稚拙なものばかりである。
 だが、当時はそれでも最善を尽くしていたのだ。
 私はタイムマシンに乗ったような気がした。