不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

テロメアで余命は計れるのか?

 年末に見たテレビ番組の中で印象的だった
ものにフジテレビの「さんま・福澤のホンマ
でっか!?ニュース」がある。
 この番組は明石家さんま氏が司会を務めて
いることでわかるようにバラエティ番組であ
り、お笑いを主体としている。(以下敬称略)
 お笑い番組ではあるが番組のテーマはこの
1年に社会で起ったことを取り上げている。
 比較的シリアスなことをお笑いにしてしま
おう、という趣向である。
 番組では評論家が時評を解説し、それにタ
レントが突っ込みを入れて盛り上げていった。
 だが、私が最も興味深く見たのは、それら
の時評解説の部分ではなかった。
 それは番組の冒頭で行われたタレントのテ
ロメア測定である。
 テロメアとは、染色体の末端部にある構造
のことである。
 番組ではテロメアが短縮化していれば、そ
の生命体は余命が短い、と言う前提が提示さ
れていた。
 実はこれは、仮説の段階にあり医学的に確
定したものではない。
 そういう説もある、という程度のものであ
る。
 しかし、番組では「テロメアが短いと余命
も短い」と繰り返されていた。
 番組内だけのことではあってもそう言われ
続けると、何だかそんな気になってしまうも
のである。
 測定されたタレント達は落ち付かない様子
だった。
 10数人のタレントが血液を採取され、そ
れが韓国の研究所で分析された。
 その結果を順に発表していった。
 これはあくまでもバラエティ番組なのであ
るが、主題が自分の余命に関する事なのでタ
レントもより真剣になっているようだ。
 直近の健康状態についてなら何とか気持ち
の整理も付くが、ことが染色体についてとな
ると、対応の仕方からしてわからない。
 お笑い芸人の表情も引きつっているように
見えた。
 測定されたタレントの中で最も落ち込んで
いたのだ大沢あかねであった。
 寿命が64歳と判定されたからである。
 結果発表前には120歳まで生きたいと語
っていただけにショックも大きかったようだ。

 私は見ていて「罪な番組だなぁ」と思った。
 だが、これを自分に置き換えたらどうだろ
う?とも思った。
 64歳と言われたら、ショックだろう。

 人は自らの余命については知ることなく過
ごすのが一番健全なのかもしれない。