ネズミ退治に新たな手段を試す。その⑦

　謎のネズミ撃退装置「ペスト・ア・カータ
ー」を設置して半月以上が経過した。
　説明書によると、設置して２～３週間は装
置に反応してネズミが以前よりも出やすくな
る、とあった。
　これは、それまで隠れていたネズミが電気
の効果によって驚いて出てくるからだそうだ。
　そのため、他の捕獲手段と併用すると有効
なのだそうだ。
　実際、我が家でもネズミの足音が頻繁にす
るようになった。
　だが、その足音も以前のように持続的に聞
こえることはなく、しばらくするとおさまっ
ている。
　これらは、音だけで足跡などがあるわけで
はなく、私がそう推測しているに過ぎない。
　そして、一昨日にはネズミがその姿を現し
た。
　私が夜「本当は怖い家庭の医学」を見てい
ると、ネズミが隣の部屋から私のいる部屋に
入ってきたのだ。
　そして、そのままテレビ横の物陰に隠れて
しまった。
　人間様のいる部屋に入ってくるとは良い度
胸だ。　
　私はハエ叩きでネズミのいそうな所をつつ
いてみた。
　すると、ネズミは飛び出してきて再び隣の
部屋に戻って行った。
　この～、番組の肝心なところが観れなかっ
たではないか！
　私はその夜、就寝前に粘着シートを設置し
た。

　翌朝、その粘着シートには収穫は無かった。
　そう簡単には捕まらないよ、と言うところ
だろうか。
　逃したか、忌々しい。
　だが、粘着シートは有効な捕獲手段である
ことは間違いない。
　実はこの数日前には他の場所に設置してお
いた粘着シートには、ネズミ以外の他の生命
体が貼り付いていたのである。

　～続く～