不二家憩希のブログ

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ズボンを買いに行く。その③

 私がのぞきに行ったそのジーンズショップ
は戦後まもなく開業した。
 1990年代までは、この地域でジーンズ
専門店はここだけであった。
 地元の若者層ではでジーパンを買うならこ
の店、という共通認識があった。
 この地域のジーパン着用者の殆どが、この
店の本支店で購入していたようだ。
 ほぼ独占状態だったのだ。
 商圏の総人口が約50万人なので、結構な
商売だった。
 しかし、そうした状況はいつまでも続かな
かった。
 その後、大店法の改正などによりショッピ
ングビルの出店が増え、ジーンズ専門店もテ
ナントの形で増えていった。
 この地元のジーンズショップの独占状態は
徐々に崩れていった。

 幸いにも、ジーンズ愛好者は増加傾向にあ
り、ファションとしてのジーンズは一定のス
テイタスを獲得している。
 消費者層は安定増加傾向にあっても、競合
業者もそれに連れて増えているのだ。
 そこでこの地元のジーンズショップは、高
額商品を多く扱うことにより他の小売店との
差別化を図ろうとしているようだ。
 売り場面積は限られているので、中低価格
帯の品は削られていくことになる。
 この経営方針はうまくいくのだろうか?
 私は失敗すると見ている。
 他社との差別化の一つとして取り扱い商品
の高級化を進める思惑はわからないではない。
 だが、こうした戦略が成功したケースは殆
ど無い。
 それに再びデフレが来ようとしているとし
ている今の時流からは明らかに外れている。
 商売は実に難しいものである。
 
 
 ~続く~