不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

人は何でも出来るのか?

 昨年末にテレビ出演をしたヤオハンの元社
長の和田一夫氏の発言の中になるほど、と思
ったものがあった。
 所ジョージらに「会社の経営がうまくいっ
ていた頃はどうでしたか?」と尋ねられた和
田氏はこう答えた。
「自分は何でも出来る!と思いました」
 そうか、やはり人はいわゆる絶好調でピー
クにいる時にはそう思うのか。
「自分は何でも出来る」という発言は和田氏
だけでなく、芸能人やスポーツ選手が言うの
を聞いたことがある。
 人間、向かうところ敵無しの絶好調時にそ
のように思うことが多いようである。
 自分の行動に対して、他者から一切の抵抗
が無くなった状態になると人は万能感を持つ
のだろうか?
 仏教で言うところの「有頂天」の状態なの
だろうか。
 旧約聖書バベルの塔か。
 私は、「人間は何でも出来る」などと考え
ることは、幻想に過ぎないものと考えている。
 また「人間は何でも出来る」と他者を鼓舞
することは、マイナスしかもたらさないと考
えている。
 人には出来ることと、出来ないことが厳然
としてある。
「何でも出来る」と考えることにより、新た
な抵抗を作り出すことになり、人生の混迷は
深まるのである。
 
 人は自分で考えている以上の能力を発揮す
ることはある。
 不可能と思われていたことを実現すること
もある。
 だが、それは何でも出来るということとは
違う。
 そして、人間は万能感を持ち始めると、そ
の時点から下降線をたどり始め、落下の速度
は止まることが無い。