不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

火災保険を選ぶということは。

 保険会社から電話が入った。
 わが家にかけていた火災保険の契約期間が終了
した、ということを通告する内容だった。

 その保険会社の代理店のセールスの女性の態度
に憤慨していた私は、別の保険会社もしくは保険
を探していた。
 探すと言っても、保険会社は沢山あるし、この
業界では、常に買い手つまり顧客が強い。
 それで、いつでも代わりは見つけられる、とい
う気分でいた。
 そうなると、かえって見つけられないものであ
る。選択の幅の広さが決定の速度を遅らせてしま
うのである。これでは、もてすぎて婚期を逸して
しまった人のようである。

 実は他にも保険の選定を遅らせている要因はあ
る。
 私の目から見ると、火災保険にそれほど緊急性
があるようにも思えなくなってしまっている、と
いうことである。
 当町内で火災が起きたのは、前回が約30年前
のことである。隣の町内で起きた火事は、8年ほ
ど前のことである。
 火災というものは、通常はそれほど頻発するも
のではないのだ。
 一般的には火災には遭わない可能性のほうが、
罹災する可能性よりもずっと高いのである。
 そう考えると、何だか掛け捨ての保険を焦って
契約することもないのでは、と思えてきたのであ
る。

 というわけで、我が家は現在、火災保険が無い
状態にある。
 といって、このまま無保険の状態でいるつもり
は無い。
 これでも、万が一ということを考えはするのだ。
 失礼な話だが、近隣からの延焼ということも無
いとはいえないからである。

 どこが良いのやら、色々検討はしているのだが、
保険の選定のような不幸を前提とした計画作りと
いうものは、あまり楽しいものでない。
 安定を求める思考というものは、その根底にお
いては不快なものである。