もうあんなに人が集まっているとは思っていなかった。
当地の人たちは真面目な方が多い。
氏神様の掃除でも、開始時刻に私が着くと既に大半の
掃除が終わっている。
定刻スタートは当たり前、作業はそれ以前に始まってる
のだ。
ぐうたら人間の私はここでは異分子である。
今日の秋葉様の行事も定刻できっちり始まるであろう。
開始の午後3時までに式場に着いていなければならない。
その時刻にそこにいれば良いのだ。
私はそのつもりである。
時間がないわけではない。
計算によれば間に合うはずだ。
それでも気が急いてしまう。
空は灰色雲優勢で少し暗い。
予報によると夕方降り始めるらしい。
雨粒が顔に当たった。
もう降ってくるのか?
雨粒はその一滴だけだった。
余計に気忙しくなる。
私は店に着いた。
予定していたものだけをレジに持っていく。
他の品を見ている余裕はない。
会計を済ませてすぐに家に戻る。
途中、また式場の路地を見る。
さっきより人が増えている。
これは遅れてはいけないなぁ。
私は自転車のスピードを上げた。
~続く~