お隣のNさんが我が家に来られた。
「それでは、これね」
Nさんは、少し大ぶりの布の手提げ袋を手渡してきた。
買い物用の所謂マイバッグよりも、一回り位ほど大き
い。
袋の中身は、町内会の班長の道具である。
ノートや回覧板のファイルの予備などが入っている。
我が家は今年度の班長なので、Nさんからの引継ぎ
である。
あぁ~いよいよこれがやって来る時期となったか。
私は正直なところ、班長の業務を歓迎してはいない。
一年間にわたっていろいろと気を使わなければならな
いからである。
この気苦労がなかなかのものなのだ。
否、気苦労と言うほどでもないかもしれない。
それでも常に気持ちの片隅に(今年は班長だ)と言う
事実を意識していなければならない。
これが何とも面倒なのだ。
ごくごく軽いストレスである。
軽いのだが、それが一年通して続く。
これはなかなか厄介である。
他のことなら「これは仕事、ここからはプライベート」と
区切ることができる。
しかし、町内会の業務はプライベートに大きく抵触す
る部分がかなりある。
プライベート込みである。
公私の別なし、ともいえる。
肉体的には大したことは殆ど無い。
ただ気持ちの問題である。
何とか無事に1年が終わってほしいものである。
まだ始まったばかりではあるが、本気でそう思ってい
る。