朝9時過ぎ、私は窓の外を眺めていた。
空一面が白い雲で覆われ、所々灰色である。
気温は8℃台、弱い風が時折吹いている。
気温は当地の真冬のこの時間帯としては、平均気温か
ら1~2℃高いといったところである。
だが、日が出ていない。
日が照っていないと体感気温が大きく変わって来る。
うすら寒い感じなってくる。
家の前の道を念入りに防寒した初老の男性が歩いてい
く。
リュックサックを背負っている。
あれはデイパックと言うのか?
手軽なリュックと言ったサイズである。
このあたりの人ではないな。
ご近所の方なら、あのような念の入った格好をして歩くこ
とはない。
足取りも少し早い。
歩く姿勢も少し前のめりである。
何かを目指しているかのように見える。
それから約10分後、今度は初老の男女連れが歩いてきた。
こちらも同じように着こみリュックを背負っている。
この人たちもこのあたりの人ではなさそうだ。
後でネットで調べると、今日は鉄道会社が主催したウォー
キング・イベントが開催されているそうだ。
ゴールは市内の有名初詣スポットである。
そうか、あの人たちはそのイベントの参加者だったようだ。
このイベントは人気があるらしく、毎回かなりの参加者が
集まるそうだ。
それにしても、この寒いのにわざわざ外を歩く催しに参加
するとは。
私にとはとてもまねができない。
寒さに耐えられそうにない。
この気温でリクレーションのための外出は考えられない。
そんなこと言っているからいつまでたっても寒がりが克服で
きないのかもしれない。